フーシ派攻撃計画に関する米国防長官の投稿を米誌が公開 空爆時間など詳細も
(VOVWORLD) - アメリカ政権は、共有された内容について「機密に当たらない」などと主張し、問題の沈静化を図ってきましたが、新たに公開された投稿には空爆の予定時間や使用される戦闘機に関する記述も含まれていました。
2025年3月26日の記者会見で発言するホワイトハウスのレビット報道官(写真:ロイター) |
アメリカのトランプ政権の高官が、アメリカ軍によるイエメンの親イラン武装組織フーシ派への攻撃計画に関する情報を通信アプリで誤って記者と共有した問題で、米誌アトランティックは26日、ヘグセス国防長官による作戦計画の詳細に関する投稿を公開しました。
アメリカ政権は、共有された内容について「機密に当たらない」などと主張し、問題の沈静化を図ってきましたが、新たに公開された投稿には空爆の予定時間や使用される戦闘機に関する記述も含まれていました。
この問題は、誤って通信アプリ「シグナル」のアメリカ高官らのグループチャットに加えられたアトランティック誌のゴールドバーグ編集長が24日に報じたものです。同誌は当初、空爆の詳細に関する投稿について「公表すれば関係者の安全を脅かす可能性がある」として非公開にしていましたが、トランプ政権が事態を深刻に受け止めない姿勢を続けたため、内容を公開しました。
同誌によりますと、ヘグセス氏の投稿には、F18戦闘機の出撃や空爆の時間のほか、海上から巡航ミサイル「トマホーク」を発射する時間なども記載されていました。
記者を誤ってチャットに招待したとされるウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は26日、SNS「X(旧ツイッター)」に「位置なし、手段なし、戦争計画なし」と投稿し、改めて問題がなかったとの認識を示しました。ホワイトハウスのレビット報道官も26日の記者会見で、「機密情報は含まれていなかった」と強調しました。
一方、アメリカのメディアによりますと、元米軍幹部らは、こうした情報が事前に外部へ流出した場合、アメリカ軍が攻撃の標的にされていた可能性があると指摘しています。ロイター通信によりますと、共和党の連邦上院議員で上院軍事委員会のウィッカー委員長は26日、政権に対し説明を求める書簡を送る意向を示し、「公表された情報は私の知る限り、非常に機微なものであり、機密扱いにされるべきだった」と述べました。(毎日新聞)